成果は出ている。でも、このままで本当にいいのだろうか。

売上は出ている。プロジェクトも進んでいる。施策も動いている。外から見ると問題はありません。

しかし内部では、特定の人に負荷が集中し、優秀な人が疲れて辞め、同じ問題が何度も繰り返され、新しいツールを入れても結局人が補正している。それでも成果は出ているから、組織は前に進んでいるように見えます。しかしどこかで、こう感じることがあります。「このままで、本当にいいのだろうか。」

組織を動かしているもの

会社には、これまで作り上げてきた仕組みがあります。役割分担、評価制度、営業プロセス、意思決定のルール、導入されたツール、部門間の関係。こうしたものの組み合わせによって、組織の行動の流れは決まります。ソラリストでは、このような行動の流れを生み出す条件の配置を構造と呼びます。構造とは、会社がこれまで作ってきた仕組みの配置のことです。

仕組みの隙間を、人が埋めている

組織の成果は、必ずしもこの仕組みだけから生まれているわけではありません。もう一つの力があります。人の補正です。

ここでいう補正とは、役割として決められている仕事ではありません。本来その仕組みの中には存在していない調整や吸収を、人が自発的に引き受けている状態です。トップ営業が複雑な案件をまとめる、マネージャーが非公式に調整をする、現場が制度の隙間を埋める、ツールの不足を人がカバーする。これらは制度やプロセスに含まれている作業ではありません。仕組みの隙間を、人が埋めているのです。

これは特別な例ではありません。むしろ多くの組織で、日常的に起きている現象です。そしてこの補正にはコストがかかります。補正を引き受けている人の時間と労力は確実に消耗していきます。優秀な人ほど多くの補正を引き受け、疲弊し、やがて組織を離れていく。これは偶然ではなく、仕組みの隙間が人に負荷を集中させた結果です。

成果が見えなくするもの

難しいのは、成果が出ているときです。成果が出ていると、仕組みの弱さは見えません。外から見ると「この会社はうまく回っている」ように見えます。しかし内部では、仕組みが生み出している力よりも、人の補正によって生まれている部分の方が大きいことがあります。

構造の力と、人の補正

分かりやすい例で考えてみます。ある会社の成果が10だったとします。外から見ると、この会社には10の力があるように見えます。しかし内部では、仕組みが自然に生み出している力は3で、残りの7は人が補正して生まれている。トップ営業が案件を成立させ、マネージャーが社内調整をし、現場が制度の隙間を埋める。つまり成果10は、仕組みの力3と人の補正7で成立しています。これは珍しいことではなく、むしろ多くの組織で起きている状態です。

仕組みの隙間は、どこで分かるのか

では、人が埋めている隙間をどうすれば見分けられるのでしょうか。単に業務の流れやワークフローを確認するだけでは分かりません。なぜなら人は、仕組みをそのまま実行しているわけではないからです。

人は常に、この行動は意味があるのか、これは合理的なのか、続ける価値があるのか、という解釈を通して行動しています。同じ制度でも動く組織、動かない組織、最初は動くが続かない組織が生まれるのは、異なる挙動を生む解釈の条件が存在するためです。ソラリストではこれを意味条件と呼びます。意味条件は心理状態ではありません。仕組みの条件が整ったときに、行動の中で結果として成立するものです。

仕組みの隙間は、行動のズレ、調整の発生、解釈の揺れとして現れます。構造スキャンでは、こうした兆候を観測することで人が補正している部分と仕組みが生み出している部分を切り分けます。

構造スキャン

ソラリストは、仕組みの状態を観測するために構造スキャンという方法を用いています。仕組みの条件配置、行動の流れ、意思決定の接続、摩擦が生まれている場所を観測し、その取り組みの仕組みがどのような力を生み出しているのかを明らかにします。

期間は約2週間。目的は解決策を提示することではありません。まず人の補正に隠れている、本来の仕組みの姿を明らかにすることです。

正しさを加速させる前に

多くの組織は、すでに正しい方向に進んでいます。だからこそ重要なのは、さらにアクセルを踏む前に、人の補正に隠れている本来の仕組みの力を確認することです。仕組みが整えば、同じ努力でも推進力は大きく変わります。